真壁祇園祭は、茨城県桜川市真壁町で約400年の歴史を持つ伝統的なお祭りです
豪華な山車が町を練り歩き、太鼓や笛の音が響き渡ります。

地元の人々が一体となって盛り上げる真壁祇園際は、訪れる人々にとっても忘れられない体験となることでしょう。



若衆の山車の引き回しは、だんじり祭りのように、迫力があって興奮しました
真壁祇園祭の魅力は、地域の人々の温かさと、伝統を大切にする心にあります。初めて訪れる方でも、すぐにその雰囲気に溶け込むことができるでしょう。
ぜひ、この夏は真壁祇園祭で、日本の伝統文化と地域の絆を感じてみてください。
真壁祇園祭の構成要素と見所


真壁祇園祭は、毎年7月23日から26日までの固定日程(4日間)で開催され、それぞれの日に伝統的な神事やイベントが行われます
祭りの主な構成要素
祭りの主な構成要素としては、以下のようかことが挙げられます。
- 神輿渡御(みこしとぎょ)
- 山車(だし)の巡行
- 子どもや若者による山車行事
- 夜店(屋台)の立ち並ぶ賑わい
日程ごとの行事
日程ごとの行事と見所をまとめます。
7月23日(初日)
神輿渡御 午後、五所駒瀧神社の御神霊を乗せた神輿が氏子たちによって担ぎ出され、町内を巡行します。
真壁祇園祭では、この神輿渡御が祭りの幕開けを飾る重要な神事で、正装した各町内の世話人衆が神社へ神様をお迎えに上がり、行列を組んで神輿を送り出します
神輿は御仮屋と呼ばれる一時的な安置所(真壁町内にある神武天皇遥拝殿)まで、あらかじめ決められた13か所のポイントで休憩・儀礼をしながら渡御します


森林に囲まれた参道を抜けていく神輿行列は厳かな雰囲気で、町内に神様が降臨する様子を感じられる瞬間です。
初日の神輿渡御では、「上宿町」「仲町」「新宿町」「高上町」など各地区の提灯旗を先導に、威勢の良い掛け声とともに神輿が進みます
町衆が一丸となって神輿を担ぐ姿からは、祭りに懸ける地元の誇りと熱意が伝わってきます。
この神輿渡御によって神様が町中へ移動し、その後3日間にわたり真壁の街に留まります。
7月24日(2日目) – 山車参拝・子ども山車
祭り2日目は夕方6時から夜10時にかけて山車の巡行が始まります。
2日目は、各町内の山車が順番に御仮屋(神武天皇遥拝殿)に参集し、神様へ参拝(お囃子の奉納など)を行う山車参拝が執り行われます


また日中には地域の子どもたちが引く小型の子ども山車や、幼稚園児たちによる山車曳き回し(園児山車)が行われることも伝統になっています



未来の祭り手を育むこれら子どもの参加行事は、微笑ましくも地域の伝統継承にとって重要なプログラムです。
7月25日(3日目) – 山車の本巡行(山車引き廻し)
祭りのハイライトの一つが3日目夜の山車引き廻しです
真壁町内5つの地区(上宿町、高上町、仲町、新宿町、大和町)から参加する豪華に飾り付けられた4基の山車が揃って町中を練り歩きます
各山車には地元の若衆が乗り込み、太鼓や笛のお囃子を奏でながら、提灯や幕で彩られた山車を力強く曳行します。





特に25日夜には全山車が揃い踏みし、スピード感ある曳き回しや、交差点で山車を回転させるダイナミックな所作が見どころとなります



走りながら、曲がっていく町内の山車もあって、まさにだんじり祭りのようですね
平成以降、一部の年では参加山車が減った時期もありましたが、コロナ禍を経て、2023年には6年ぶりに全町の山車が勢揃いし観客を沸かせました
こうした伝統の山車行事は夜の帳に提灯が揺れる幻想的な風景と相まって、多くの観衆を魅了します。
7月26日(最終日) – 神輿還御(かんぎょ):
最終日は、御仮屋に鎮座していた神輿が再び担がれ、五所駒瀧神社へと還御する神事が行われます
クライマックスとなるこの神輿還御の際には、各町の山車が神輿の露払い役として先導しつつ、時にわざと神輿の進路をふさぐようにしてゆっくりと進行させる独特の所作が見られます





「神様がお帰りになるのを惜しむ」かのように、できるだけ長く町内に留まっていただくためとも言われ、山車がぐるぐると回転して神輿の前を行く様子は迫力満点です
氏子たちは最後の力を振り絞り、神輿を揺らしながら担ぎ、観客も一体となって祭りの終幕を見届けます。
そして神輿が神社へ戻り本殿に納められると、4日間にわたった祭りは幕を閉じます。
見所
真壁祇園祭は神事と山車行事がバランスよく配された構成となっており、昼と夜で異なる表情を見せるのも特徴です。
昼間は伝統儀礼の厳粛さ、夜は山車や提灯の灯りによる華やかさと熱気が味わえます。
特に夜に繰り広げられる勇壮な山車の競演とお囃子の響きは、訪れた人々を江戸時代から続く「祭りの原風景」へと誘い込むでしょう。
真壁祇園祭の歴史的背景


真壁祇園祭は、茨城県桜川市真壁町で約400年の歴史を持つ伝統的なお祭りです



起源は江戸時代前期まで遡り、当時城下町として発展していた真壁の町で町民によって始められたとされています
祇園祭という名称からわかるように、もともとは平安時代・貞観11年(869年)に京都で疫病鎮めのために始まった祇園御霊会(現在の京都・祇園祭)に由来する祭礼文化が各地に伝播したものと考えられます
真壁でも城下町の守護や疫病退散を願って夏に祭礼が執り行われるようになり、江戸期以降地域の年中行事として定着しました。
時代を通じて地域に根付き発展してきました。
戦時中など一時中断を余儀なくされた時期もありましたが、第二次世界大戦後に復活し、現代まで伝統が受け継がれています。



また1986年に、伝統的な祭祀組織や年功序列に基づく祭礼運営などが評価され、五所駒瀧神社の祭事として国の選択無形民俗文化財に選ばれています
これは国が記録保存すべき貴重な民俗芸能として公式に認めたことを意味し、真壁祇園祭の歴史的価値の高さを物語っています。
真壁祇園祭と五所駒瀧神社、国指定無形民俗文化財への背景


真壁祇園祭は、真壁の鎮守である五所駒瀧神社の例大祭として行われます
五所駒瀧神社
五所駒瀧神社の創建は1014年にさかのぼると伝えられ、12世紀には真壁城初代城主の一族・桜井良幹が鹿島神宮の祭神である武甕槌命(たけみかづちのみこと)を勧請して現在地に社殿を造営し、以来真壁氏の氏神として崇敬されてきました



江戸時代以降は城下町・真壁の土地神として地域住民に篤く信仰されてきた神社です。



雰囲気も、ジブリの世界に迷い込んだような素敵な神社ですよね
1873年(明治6年)には近隣の天満神社(菅原道真公)、飯綱神社(農耕の神)、富士神社(木花咲耶姫命)、日吉神社(大山咋神)を合祀した経緯があり、「五所」の名は五つの神社を合わせ祀ったことに由来します
現在、五所駒瀧神社には武甕槌命のほか猿田彦神、菅原道真公、木花咲耶姫命、大山咋神の五柱の神々が祭神として祀られています
祇園祭は本来、素戔嗚尊(すさのおのみこと)あるいは牛頭天王(ごずてんのう)を祀る疫病除けの祭りですが、真壁祇園祭の場合はこれらの氏神たちをお慰めし町内を巡行することで、町全体の無病息災や五穀豊穣を祈願する意味合いを持っています。
国指定無形民俗文化財への背景
神社から神輿に神霊を移して町へ繰り出し、地域を清め守護する祭事は、城下町時代から続く真壁の宗教文化の中核です。
地域にとって真壁祇園祭は単なる娯楽の場ではなく、共同体の信仰と団結を象徴する重要な行事です。





祭りの運営には世話人制度と呼ばれる独自の組織・序列があり、年長者から若者まで役割分担と礼節を重んじる伝統が受け継がれてきました
この年齢階梯制による祭祀運営は、町内の連帯感や秩序を保つ上で大きな役割を果たしており、前述のように国の無形民俗文化財に選択される決め手ともなっています
地域の人々は氏神への感謝と敬意を込め、この祭りを何世代にもわたって守り続けることで、自らの郷土のアイデンティティを確認し、次世代へと伝えています。
真壁地域の人々と観光客へのおもてなし
真壁祇園祭は地域ぐるみの祭りです。
前述の通り真壁町内には上宿町、高上町、仲町、新宿町、大和町の5つの町内会(氏子集落)があり、それぞれが祭りに主体的に参加します
真壁地域の人々と真壁祇園祭
各町内ごとに世話人(役員)から若衆(わかしゅう)まで祭礼に携わる役割が細かく割り振られ、準備段階から当日の運営まで住民総出で取り組みます。
たとえば、山車の管理・飾り付けやお囃子の練習、神輿の担ぎ手の確保、交通整理や警備、来訪者への案内など、多岐にわたる作業が地元有志によって支えられています。
各町内は持ち回りで祭典の当番を務め、世話人代表が祭典全体を取り仕切ります
このように地域コミュニティの協力なしには成り立たない祭りであり、祭りの維持そのものが住民の誇りと団結の象徴となっています。
観光客へのおもてなし
真壁祇園祭は地域内の行事であると同時に、近年では茨城県内外から観光客が多く訪れる交流の場にもなっています。
毎年約2万人前後の人出があり、地元住民だけでなく観光客も祭りの雰囲気を楽しんでいます。



今では有名になった、真壁のひなまつりも、「寒い季節に訪れる人々をもてなしたい」という思いから始またんですよね


地元の人々は、遠方から来た観光客に対しても温かく祭りを共有しようというホスピタリティを発揮します。
たとえば、山車の曳き回しの際に見物客に声をかけたり、写真撮影に快く応じたり、子ども神輿に観光客の子どもが飛び入り参加する光景も見られます。
桜川市や観光協会も公式ホームページやSNSで情報発信を行い、観光客が訪れやすい環境づくりに努めています。
みんなで楽しむ真壁祇園祭
祭り期間中は真壁の町並み全体が祭り一色に染まるため、地域住民と観光客が一緒になって夏の夜を楽しむ姿が各所で見られます。
夜店で買い物をしながら地元の人と言葉を交わしたり、山車の迫力に歓声をあげて共に盛り上がったりと、祭りが人と人を結び付ける社交の場となっています。


特に歴史ある町家が立ち並ぶ通りに提灯が灯る様子は郷愁を誘い、地元の年配者は子供の頃の思い出話を観光客に聞かせてくれることもあります。
祭りを媒介にしたこうした交流は、地域の人々にとっても自分たちの文化を再発見し誇る契機となり、訪れた側にとっても単なる見物客以上の体験が得られる貴重な機会となっています。
開催日程と特色


真壁祇園祭は毎年7月23日から26日までの4日間と日程が固定されているため、曜日に関わらず同じ日付で行われます
固定日程は、江戸時代からの伝統を守ったもので、カレンダーにかかわらず神事の日取りを変えない姿勢に祭りの格式が表れています。
一方で、曜日配列によって来場者数や運営体制には多少の変動があります。
たとえば、最終日が週末にあたる年は多くの観光客で賑わうため警備スタッフを増強したり、平日開催が含まれる年は地域内の学校・企業と協調して夕刻以降に人手を集めたりといった工夫がなされています。



文化的な背景を考えると固定日程の方がいい面もあるし、集客や祭りの担い手のことを考えると週末開催の方がいい面もあり、悩みますね
令和7年(2025年)についても、現時点で大きな変更の情報はなく、例年通り7月23日(水)~26日(土)に開催される見込みです(正式な日程・詳細は桜川市や観光協会の公式発表をご確認ください)。
昨年・今年と通常開催が定着したことで、2025年はさらに多くの人出が予想されます。
特に2025年は最終日が土曜日に当たるため、久々に遠方から訪れる人も増え、より活気ある祭りとなる可能性があります。
運営側でも来訪者向けサービスの充実や、安全対策の強化が図られるでしょう。
毎年同じ日程ながら、社会状況や参加者の思いによって少しずつ表情を変える真壁祇園祭は、「変わらない伝統」と「時代ごとの特色」の両面を楽しむことができると言えます。
アクセス方法と交通規制
会場: 真壁祇園祭の主な舞台は桜川市真壁町の市街地(旧真壁町市街地)です。
祭り期間中、メイン会場となる真壁町中心部(城跡周辺から旧市街一帯)は夜間に歩行者天国となります
自家用車で近くまで来る場合は、市が用意する臨時駐車場や指定駐車場を利用し、徒歩で会場に向かう形になります。
公共交通でのアクセス
最寄り鉄道駅はJR水戸線の岩瀬駅です。
岩瀬駅からは桜川市営バス(ヤマザクラ号)で約25分、「真壁庁舎(旧真壁町役場)」「真壁城跡」などのバス停で下車すると会場まで徒歩5分程度です





祭り開催中は一部バス停が休止となるため、桜川市が案内する利用可能なバス停(例:「真壁城跡」停留所など)を選ぶ必要があります
首都圏から公共交通で来る場合、秋葉原駅からつくばエクスプレスで終点つくば駅まで約45分。
つくばセンターから関鉄バス(北部シャトル)で「筑波山口」へ約50分、そこから桜川市バス(ヤマザクラ号)で真壁方面へ約30分というルートもあります



いずれにせよ本数が限られるため、事前に時刻表を確認すると良いでしょう。
車でのアクセス:
常磐自動車道の土浦北ICあるいは北関東自動車道の桜川筑西ICが便利です。
土浦北ICからは国道125号線経由で約30km・50分、桜川筑西ICからは県道・市道経由で約20分ほどで真壁市街地に到着します
真壁市街地周辺には高上町駐車場など臨時駐車場が設けられ、普通車約65台・大型バス数台が駐車可能です
〒300-4408 茨城県桜川市真壁町真壁279−1





祭り期間中、この高上町駐車場が拠点となり、仮設トイレの設置や誘導スタッフの配置が行われます
ただし夜19時以降は交通規制で会場近辺への車両進入が禁止されるため、できるだけ夕方までに駐車場に入り、帰りも22時以降に出庫するか規制区域外へ歩いて出てから車に乗る必要があります。
宿泊情報
真壁町内および近隣で宿泊を検討する場合、旅館や民宿は数は多くありませんがいくつか選択肢があります。
真壁の町中には伊勢屋旅館やみかど旅館といった老舗の旅館が営業しており、歴史ある町家造りの建物に泊まることができます。
特に伊勢屋旅館は築100年以上の木造旅館で、真壁の風情を味わえると評判です
町の外れには古民家を改装したゲストハウス「見晴らしの丘 真壁うり坊」など新しい宿もあり、サイクリング客なども受け入れています
祭り期間はこれら宿泊施設が満室になる可能性が高いため、早めの予約が肝心です。
また、真壁から車で30~40分圏内には筑西市(下館地区)や筑波山麓、桜川市岩瀬地区などにホテル・旅館があります。
宿泊を伴う来訪の場合は、祭りの終了時間や交通規制も考慮して計画を立てるとよいでしょう。
写真スポット・SNS映えする場所


真壁祇園祭は歴史的な町並みを背景に繰り広げられるため、カメラに収めたい絶好のシーンが数多く存在します。
祭り期間中の真壁町は随所がフォトジェニックなスポットと言えますが、特に以下のような場面・場所が人気です。
提灯に彩られた夜の街並みと山車: 真壁は重要伝統的建造物群保存地区に選定されているほど古い町並みが残っています
土蔵造りの商家や格子戸の家々が立ち並ぶ通りに、祭りの夜は無数の提灯が灯されます。
その中を山車が通り抜ける光景は、江戸情緒とお祭りの熱気が融合した幻想的なものです。
旧真壁郵便局のある交差点
旧真壁郵便局のある交差点では4基の山車が勢揃いし、お囃子の音色と相まって写真映え抜群のシーンが広がります。
夜空に揺れる提灯と山車の提灯飾りの明かりを背景に撮影すると、美しい光跡を捉えることができるでしょう。
山車の迫力ある演出シーン
25日夜の山車引き廻しでは、交差点など広い場所で山車を回転させたり、複数の山車がすれ違ったりする迫力満点の場面があります
旧真壁駅前交差点や仲町の辻などは山車が方向転換する定番スポットで、観客が大勢カメラを構えます。
若衆が懸命に綱を引き、太鼓を打ち鳴らす瞬間をローアングルから捉えれば、迫力ある一枚になるでしょう。
また、山車上で笛や太鼓を演奏する人々の表情や、囃子方が持つ扇子・傘など小道具のディテールも絵になります。