茨城県桜川市真壁町で開催された地域イベント「蔵の市 – THE DAY 4th -」に参加してきました!
このイベントは、地元有志で結成されたTHE DAY実行委員会と、老舗の酒蔵・村井醸造さんとのコラボレーションによるもので、歴史ある登録文化財の酒蔵を舞台に食と音楽を楽しむお祭りです

今回は、大人から子どもまで幅広い世代が楽しめる内容になっていましたね



地域の若手メンバーが中心となり、市とも協力しながら(桜川市後援)真壁町の魅力発信と、町おこしの一環として開催された、まさに歴史と未来が交差するイベントでした
『蔵の市』昭和レトロを感じるノストラジックなイベント


会場となったのは、真壁町真壁にある村井醸造株式会社の酒蔵敷地内です
村井醸造さんは江戸時代創業(1673年)の老舗酒蔵で、4つの登録文化財のもち、周辺一帯も重要伝統的建造物群保存地区に指定されている歴史的な町並みが残るエリアでもあります





普段は立ち入る機会のない酒蔵を特別に一般開放しており、蔵の白壁や梁むき出しの木造建築が醸し出す雰囲気だけでもタイムスリップしたような感覚を味わえます。
建物にともる明かりと提灯の灯火が美しく、心地よい昭和歌謡のBGMが流れる中、まるで昭和の縁日に迷い込んだかのようなノスタルジーを感じました
実際、前回参加した方からは「まるで時空を超えた旅をしているかのよう」と表現されるほど、その懐かしい空気感は好評です
今年は、好評だった「まかべ横丁」と「蔵の市」が同時開催





今年は、昨年好評だった「まかべ横丁」と「蔵の市」が2日わたって同時開催のようでした
明治時代の木造の蔵と、提灯の明かりがとても良い雰囲気


昭和レトロな夜市を再現したような演出が随所に見られました。
入口には「THE DAY」ロゴ入りの大きな白提灯と赤提灯が掲げられ、屋台の並ぶ様子はまさに昔懐かしい縁日のよう。
酒蔵の敷地内にはステージ代わりのスペースが設けられ、DJの方が昭和の懐メロを中心とした選曲で場内を盛り上げます


「東京ブギウギ」や、「オリビアを聴きながら」の名曲などが流れていて、年配の方も思わず口ずさむ姿が見られました。
蔵の中庭にはテーブルやベンチが置かれ、買ったばかりのフードやドリンクを手にした家族連れやカップルがゆったりと談笑しています。
明治時代に建てられた木造の蔵を背景に、提灯の明かりがゆれる光景を眺めながら、美味しいものを頬張るひとときは、現代であることを忘れてしまうほどリラックスできる雰囲気でした。
蔵の市の出店者とグルメ・物販


今回のイベントでは、飲食から雑貨まで2日間合わせて40店以上もの多彩な出店ブースが並び、大いに賑わっていました



私もまずは食べ歩きを楽しもうと、会場をぐるりと一回り。
蔵の市のグルメ
グルメ系の屋台では、炭火で焼き上げた香ばしい焼き豚や、移動式のリアルピザ窯で焼いた本格ピザなど、こだわりのメニューが勢揃いしています



豚串は柔らかくておいしかったね



ピザも、イタリアにいたときに地元の人が連れて行ってくれた、本格的なピザ屋で食べた味とまったく同じでした。
漂う醤油と炭火の香りがたまらなく、ビールや村井醸造の日本酒を片手に楽しまれる方の姿もみられました。



私はふだん日本酒をあまり飲まないのですが、村井さんの「真上」は、日本酒特有の嫌なクセがなくて、香りも風味もとても良い香りで、スッと飲めてしまいました。



透明なお酒も、濁り酒も、どちらも特徴があっておいしかったね



村井醸造の日本酒は、真壁の酒屋さんのオンラインストア・酒の倉之助さんで買えますよ
スイーツ好きの私のお目当ては、栃木県小山市から出店していたスコーン専門店「salt coffee service」さん。
ご夫婦で営むこちらのお店では、あんこやチョコがたっぷり練り込まれた手作りスコーンをなんと約20種類も販売していました



同じ真壁町で定期開催されている、まかべ朝市でこのスコーンを食べたことがあるのですが、その時の感動が忘れられず今回も食べました
しっとりホロっとした生地に甘い餡やチョコの風味が絶妙で、コーヒーによく合います。会場でもハンドドリップコーヒーや地元産のクラフトビールが提供されており、スコーンのお供にぴったりでした
さらに見逃せないのが限定ラーメンの出店!



まかべ朝市でも評判になっていましたね
もちろんここは酒蔵、地元のお酒も外せません
蔵ならではの日本酒試飲コーナーでは、村井醸造さん自慢の地酒をいくつもテイスティングできます。



銘柄の一つ「真上(しんじょう)」純米酒はフルーティーで爽やかな飲み口が評判のお酒で、過去にはJALの機内サービスで提供されたこともあるそうです



日本酒好きにはたまらないブースです。
物販


体験できる催しと文化的な要素


「蔵の市」は単に食べたり買い物をしたりするだけでなく、体験型の催しも充実していました。
酒蔵見学ツアー



まず注目は、酒蔵ならではの酒蔵見学ツアーです。
普段は立ち入ることのできない仕込み蔵の中を、村井醸造のスタッフさんがガイドしてくれる特別ツアーが両日開催され、各回先着20名という貴重な機会でした





私も参加しましたが、ひんやりとした伝統的な土蔵の中に足を踏み入れるだけでわくわくしました。



酒蔵ツアーに関しては、のちほど別記事にまとめますね
大きな木桶や年代物の道具類を目の当たりにし、杜氏さんから仕込み水のお話や銘柄誕生の秘話を聞けたりと、日本酒造りの奥深さに触れることができました。
街並み散策ツアー
真壁の町を巡る街並み散策ツアーも実施されました。
真壁町は茨城県内で唯一の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、江戸時代から明治にかけての商家建築や土蔵群が残る貴重なエリアです。


ボランティアガイドさんの案内で酒蔵周辺の古い町並みを歩きながら、歴史的建造物の解説や真壁藩の城下町としての歴史エピソードを聞くことができます
普段何気なく通り過ぎている蔵や石蔵も、由来を知ると一段と興味深く感じます。
こうした文化的プログラムが用意されているのも、このイベントの魅力の一つです。
子どもから大人まで楽しめる工夫もたくさん
子ども向けには先ほど触れた縁日コーナーに加え、木工工作やクラフト体験のワークショップも開催されていました。



まかべ朝市でも子供たちに人気のコンテンツの射的など、満員になるほどの人気ぶりで子たちも夢中で楽しんでいました。





今回は、子どもたちの姿が多く見かけた気がしますね
歴史的な真壁町と、文化を受け継ぐ地域の人々


今回参加してみて感じたのは、真壁町という地域に根ざしたイベントならではの温かみと意義深さです
文化を受け継ぐ地域の人々
単なる食のフェスや音楽イベントではなく、歴史ある酒蔵という舞台装置を最大限に生かし、地域の伝統と現代的な楽しみを見事に融合させていました。



主催のTHE DAY実行委員会・刈部晋輔さんも以下のような思いがあるようで、まさにその想いが形になったイベントと言えるでしょう。
真壁町は、歴史や文化が色濃く残る魅力的な場所ですが、普段はなかなか訪れるきっかけが少ないのが現状です。
引用
THE DAYでは、来る理由を作り、また来たいと思ってもらえるような体験を届けたいと思っています。
今回の蔵開きは、まさにその象徴的な企画。真壁の歴史と未来が交差する2日間、ぜひ多くの方に楽しんでいただけたら嬉しいです。
歴史ある建造物群を保存するだけでなく、そこに人を呼び込み現在進行形のにぎわいを生み出すことは、地域にとって非常に大切なことです。
蔵の中で感じる土壁のひんやりした空気、鼻孔をくすぐる麹の香り、そして外に出れば聞こえてくる笑い声やレトロ音楽――真壁の町が持つポテンシャルを再発見するとともに、新しい命が吹き込まれているように感じました。
また、イベント運営には地元の高校生や若手も多数ボランティア参加しており、「自分たちの町を盛り上げたい」という熱意がひしひしと伝わってきました。
古くから続く酒蔵と、今の若い世代とがタッグを組むことで生まれた本企画は、地域活性化の象徴的な取り組みでもあります
桜川市も後援に付くなど、バックアップ体制が敷かれているのも心強いポイントです
真壁に住む先輩から受け継いだバトンを次の世代へ
真壁町といえば、毎年2~3月に開催される「真壁のひなまつり」が有名ですが、こちらのイベントも元々は、「寒い季節に訪れる人々をもてなしたい」という思いから始まりました。
2011年の東日本大震災で真壁の町並みは大きな損害を受けながらも、町並みを再建しました。
またコロナで多くのイベントが休止や縮小されていく中で、真壁の文化的なイベントも無くなってしまうのではないかと感じました
しかし、ピンチはチャンスになったのかもしれません



真壁の先輩たちがつないでくれた文化を、The Day実行委員会の人たちや、商店街の若い世代たちが、真壁の文化を絶やさないように立ち上がってくれました
真壁のひなまつり以外にも、これだけ人を集められるイベントが定着すれば、年間を通じた交流人口の創出にもつながるでしょう。
実際、今回のまかべ横丁・蔵の市をきっかけに「初めて真壁を訪れた」という方も少なくなく、そうした新たなファンを掴めたことは大きな成果だと思います。



私の友達も流山から来てくれましたよ
歴史的資源を守りつつ、それを現在の文脈で活用し地域に活力をもたらす――真壁の試みは、他地域にとってもヒントになるのではないでしょうか。
私自身、昭和レトロな雰囲気に浸りながら美味しいものを味わい、地元の方々との触れ合いも楽しめて、大満足の2日間でした。「また来たい」「次は友人も誘って来よう」と思わせてくれる温かいイベントです。
真壁の蔵の市、そしてTHE DAYの今後の展開にもぜひ注目していきたいです。
地域の宝物である歴史と文化を大切にしながら、それを合言葉に人が集い笑顔が生まれる――そんな素敵な場に立ち会えたことに感謝しつつ、来年の開催も今から待ち遠しいですね。
アクセス方法(公共交通機関・駐車場情報)
イベント会場の村井醸造(真壁町真壁72)へは、公共交通機関または車でアクセスできます。
公共交通機関でアクセス 電車・バス
電車の場合、最寄りはJR水戸線の岩瀬駅です。
駅からは桜川市営バス「ヤマザクラGO」が運行しており、真壁方面へ約30分ほどで到着します





バス本数は多くないため、事前に時刻表を確認すると安心です。タクシー利用の場合は岩瀬駅から約20分で会場に着きます。
初めて訪れる方は、岩瀬駅からタクシーを利用する手もあります(所要約20分)。
伊勢屋旅館の前のバス停あたりがおすすめです
車でのアクセス
最寄りの高速ICは北関東自動車道・桜川筑西ICから約15分、または常磐自動車道・土浦北ICから約40分程度で到着します。
筑西方面や常磐道方面からドライブして訪れる方が多く、真壁の街並みに入ると歴史的な建物が目に留まります。



真壁の町中は道がやや狭い場所もありますが、当日は案内看板も出ているはずなので、指示に従って進めば大丈夫です。
駐車場
会場周辺には無料駐車場が用意されています。
真壁伝承館の駐車場も停められそうですが、いっぱいのときには高上町駐車場は市営駐車場で、会場まで徒歩4~5分と便利です
会場周辺には無料駐車場(約170台分)が用意されており、車で来ても安心です
ただし人気イベントのため、満車になる可能性もあります。できれば早めの時間帯に到着し、周辺を散策しながら開場を待つと良いでしょう。


駐車場から会場まで歩く途中にも古い町並みが続くので、散策気分で向かいましょう。

